PCBは毒性のある油であるため、1972年に製造・使用・輸入が禁止されています。体内に蓄積すると中毒症状を引き起こす事件があり、適切な処理が必要です。
まもなく処分ができなくなるため、早めの手続きが重要です。ここでは、PCBが原因で起こった事件などの歴史をまとめました。
\PCB廃棄物の処理はPCBの専門家へ/
LINEやメールで簡単な見積もりを出すこともできます。行政へ提出している書類やPCB機器などの写真を添付してください。
当サイトにも「PCBを触ってしまった」という方から相談のメールがきたことがあります。質問サイトでPCBを検索すると、機械の種類やシチュエーションは違えど、同じような相談がたくさん掲載されています。
まず、東京都環境局の公式サイトにある、PCBの飛散等による事故が発生したときの措置についてというページをご覧ください。
そのページには、「PCBの飛散事故時の措置」や、「人体に対する応急処置」、「事故届の連絡提出先」といった情報が掲載されています。
カネミ倉庫株式会社ではこめ油、こめぬか油のような食用油を生産していました。その食用油を製造する過程に脱臭がありました。脱臭のための熱媒体として、PCBが利用されていました。
しかし、配管作業のミスで、PCBが漏れ出てしまいます。漏れ出たPCBが油の中に混入し、熱されてダイオキシンが発生。ダイオキシンが含まれた食用油を摂取した人々に、障害が起きました。
などです。また、中毒症状を起こした女性から産まれた赤ちゃんが、黒いあざをともなっていたことはニュースなどで大きく取り上げられました。
カネミ油症事件の被害者は、摂取した人々だけでなく、子世代、孫世代においても広がっています。事件発生後、40年経過しても被害者に対する補償の法律はありませんでした。しかし、42年経った2012年9月、やっとこの事件の被害者に対する法律が制定・施行されました。
また、人々の症状が表面化する前に、PCBの含まれた油を使用した餌を食べたニワトリが大量死するなどの事件も起こっていました。
現在もカネミ油症の患者の方に対して、健康実態調査の実施が行われ、健康調査支援金の支給も行われています。(カネミ油症対策について - 厚生労働省)
881年にドイツで合成されたのが始まりです
1881年 ドイツで合成される
1929年 アメリカで生産が開始
1954年 日本で製造開始
1968年 カネミ油症事件が発生
1972年 行政の指導で、生産と使用が中止
1979年 台湾で油症が発生
1999年 ベルギーでダイオキシン汚染が発生
2001年 PCBを2028年までにすべて廃棄する国際条約が締結(ストックホルム条約)
台湾やベルギーでも汚染被害がありました。PCBなどの残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で国際的にもPCB処理が推進されています。
台湾でも油症が発生したり、広範囲の動物からPCBが検出されたりしました。
1979(昭和54)年、台湾でも日本と同じく食用油にPCBが混入し、それを摂取した人々の間で健康被害がおきました。おおよそ2000人もの被害者を出し、責任者3名が刑事罰を受け、日本円で約3億円の賠償金の請求がされました。
1999(平成11)年にはベルギーで大規模な汚染被害がありました。こちらも食用油に混入したPCBが熱され、ダイオキシンになったことが原因です。
ベルギーダイオキシン汚染問題で被害を被ったのはニワトリやブタ、ウシなどです。家畜に与える餌にダイオキシンが含まれており、その餌を食べた家畜の卵や肉、乳製品にはダイオキシンが含まれていました。
PCBが適切でない方法で熱されると、ダイオキシンが発生します。
PCB廃棄物の処理の方法の一つに、焼却があります。これは800℃以上の温度で、一定時間PCB廃棄物を熱して処分する方法です。焼却することでPCBは無害化され、機器はリサイクルされます。
これが無害化の流れですが、適切に処理されない場合、ダイオキシンが発生してしまいます。1968年に発生したカネミ油症事件も、漏れ出たPCBが油の中に混入し、熱されてダイオキシンが発生したことが原因でした。
PCB廃棄物を保管する場合にも、「PCBを含んだ機器が熱されないこと」という注意点があります。これはPCB廃棄物が熱されることで、ダイオキシンが発生するのを防ぐためです。
長期的に摂取し続けると、健康被害がでる毒物のことです。
ダイオキシンというのは複数の物質の総称です。正確には「ダイオキシン類」といいます。例を挙げると…
発がん性物質である、というのも有名です。少量を一時的に摂取しただけで、すぐにこういった症状がでるわけではありませんが、定期的に摂取すると危険です。
また、ダイオキシンを長期的に摂取しつづけると、その本人だけでなく、毒性が遺伝することもあります。その場合は、先天的に奇形になったり、内臓や脳機能に障害がでたりします。
ただし、現在の日本ではダイオキシンへの対策がなされており、重篤な症状がでるほどのダイオキシンが排出されることはありません。しかし、もし上記のような症状が出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
当サイトには見積もり依頼のご相談の他に、稀ではありますが「PCBによる被害を受けてしまい、どこに相談していいかわからないから相談しました」というメールが来ることがあります。
一度触れてしまっただけで、かなり深刻な被害に遭われてしまっている方もいらっしゃいます。それほどPCB廃棄油は危険ということです。
ここにその本文を公開いたします。PCBの危険性を知り、絶対に触ってはいけないものだと理解し、日常生活や社会生活において役立つ情報となることを願うと共に、被害に遭われてしまった方の1日でも早い回復を祈念いたします。
12/15㈮、職場で1年に1回だけ清掃することになっている部屋に入って30分ほど中で掃除をしていたのですが、その時にPCBが付着してると思われる使用済みのビニール手袋と、使用済みのティッシュやスポイトが溢れるほど入ったスーパーの袋、ガラス瓶の入ったケース、床に散乱してたPPテープを素手で触ってしまいました。
清掃を始めて30分ほどしてから保安課の人がみえて「この部屋をたまに清掃してるっていう話はほんとだったんだ」「何か触った?」と聞かれて、机に並んでいた透明の上部だけカラフルな色になってる液体の入った小瓶(10~20コ)に視線を移しました。
その時にカネミ油の話を聞かされ(黒い赤ちゃんの話)作業を中断して、その場にあったパーツクリーナーPRO(強力洗浄と記載)という冷たいスプレーを両手にかけられました。その保安課の人は、溶剤と言ってみえたような気がします。
その部屋を後にして3分後に自分の課に戻ったのですが、景色が歪むような強い眩暈(めまい)と激しい動悸を感じて座り込んでしまいました。ふらつきながらも、早く手を洗わなければと思い、二階にある水道で手洗いとうがいをしました。
そのあと自分の判断で総合病院に出向き、血液検査(主に肝機能検査で異常なし)と点滴をして療養してるのですが、体がだるく、3日経った今も強い頭痛と胃の不快感、鼻の奥の乾燥、目の周りの黒ずみが取れません。顔つき、目つきが怖いと言われます。二日目に不正出血もありました。(1日間)
このまま放っておいても大丈夫でしょうか。PCBに詳しい病院があれば紹介して頂けないでしょうか。(岐阜県○○市在住)この体調の悪さが、怖い話を聞いて精神的なものからきてるのか、このPCBによるものなのか、よく分かりません。
ちなみに、翌日に、この部屋にあったものを確認に行ったところ、
【係員以外立入禁止】
【入室の際は保安係に連絡してください】
というA4の用紙がドアに張り付けてありました。今更?どうして事前に知らせてくれなかったのか…立入禁止状態にしてくれなかったのか…と杜撰な管理に強い憤りを感じてます。
部屋の中にあったものは「微量PCB含有新油」と記載された20ℓのポリタンクと、「トランス絶縁油新油ー高圧注意」と記載された機械と、「カラフルな液体の小瓶10~20コ」です。この小瓶は翌日には消えてました。
人体影響の有無を知りたいです。また、専門医のいらっしゃる病院を紹介して頂けないでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いします。
△△ 様
PCB廃棄物処理サイト管理人の■■と申します。この度はPCBにより、苦しい日々が続いているとのことで、心より早く回復されることを祈っております。
お問い合わせいただいた内容についてですが、残念ながら当サイトはPCB廃棄物の処理に困っているビルオーナーをサポートするためのサイトです。故に、被害にあった際の対処法までは存じておりません。というのが本音です。
しかし、これだけ苦しい思いをされている方を見て見ぬふりはできませんので、色々と調べてみました。
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http://www.env.go.jp/chemi/dioxin/index.html
環境省水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室
TEL(代表)03-3581-3351
(直通)03-5521-8291
FAX 03-3580-7173
E-mail dioxin@env.go.jp
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こちらに電話で聞いてみた所、3つの案を授かりました。
スッと解答を出せずに申し訳ございません。あいにく医療の知識はないもので…。今後の後遺症や残存期間などについては△△様のほうで、直接聞いてみるのが一番だと思います。公的機関なので、信憑性については間違いないと思います。
3番に関しては、一般従業員が触れる状態にあることなど、管理体制に疑問点があること、当然、処理方法はどうしたのか?など、色々と不備な点が垣間見えるので、そちらの方にも相談してみるといいかもしれません。という意味合いです。
少しでも参考になれば幸いです。
お体のご回復、心より願っております。
■■様
この度は、見当違いな問い合わせをしてしまったようで、ほんとに申し訳ありませんでした。
また、その見当違いな内容に、心温まる対応をして頂き、感銘を受けるとともに、心より感謝しております。
何分、無知なことばかりで、母子家庭で頼る人もない中、不安ばかりが膨らんで悲観的になっておりましたが、■■様のお陰で、気持ちが落ち着いたような気がします。
早速、食物繊維を多く取り入れた食事をしました。
早急に、公的機関にもお聞きしますね。
ほんとに、ありがとうございました。
頑張ります!
実際の相談メール写真(一部抜粋)
このように、お住いの地域によって相談する場所があるかもしれません。もし無かったとしても一番近い医療機関に問い合わせしてみたり、環境省に直接聞いてみたり…色々と手段はあります。
世の中からPCBが無くなるその日まで、気をつけて生活する必要がありますし、そのためには正しい真実の情報を知っておく必要があります。
当サイトの情報が一つの幇助となれれば幸いです。