長年利用している変圧器があり、電気設備の更新の時にPCBの分析が必要になって困っているという問い合わせがあります。
行政の届け出や手続き方法などが分からず、困っている方はPCBの専門家の相談窓口をご利用ください。
PCB廃棄物の処分義務は、原則 「PCB廃棄物がある建物を現在所有している人」です。
PCBは現在では有毒性が確認され、製造・使用・輸入を禁じられています。ですが、1972年に行政の指導が入る前は、一般に流通しているものでした。そういった背景から、古いビルにはいまだにPCBの機器が使用されていることがあります。
本来ならばPCBが使用されている機器をビルごと売却するには手続きが必要ですが、PCBが使用されている機器とは知らずに売却されてしまうこともあります。そのような場合でも、PCB廃棄物の処分義務はその建物を現在所有している方が負うことになります。
PCB廃棄物は譲渡することは原則的にできません。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成十三年法律第六十五号)から引用
(譲渡し及び譲受けの制限)
第十七条 何人も、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める場合のほか、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
この条項は、PCB廃棄物を適切に処理する際に、環境省令で定められている場合(※)を除いて、PCB廃棄物を譲ることも受け取ることもできないということです。
(※)環境省令で定められている場合
「建物の売却等により、建物を他の事業者に譲り渡す際、建物に使用中のPCB製品が含まれている場合」のことです。この場合は、建物を売る側、買う側双方の届け出を提出することにより、譲渡が可能となります。
建物内に使用中のPCB製品がある場合はこういった法令もありますが、保管中のPCB廃棄物の譲渡は原則的にできません。
例えば、工事会社の方が「こちらで処分しておきます」と言われたからと渡してしまうと、譲渡になるので罰則となります。また、行政の認定を受けていない業者に処理を依頼した場合も譲渡になります。
早急にPCB濃度の診断を行い、処分することが必要です。
後々こまらないためにも、古い建物の売買をする場合はキュービクルや電気室などに変圧器やコンデンサーが設置されていないか確認して購入することをおすすめします。もし、PCB機器があった場合は、売主に所定の手続きを行ってもらいましょう。
もしも、まだ使っているものがある場合は、地位の承継である場合を除き、売主が廃止届出を、また買主が新たに設置等届出を行う必要があるため、PCBの専門家へ依頼されることをおすすめします。
より詳しい情報は環境省のホームページに記載があります。(環境省のよくあるご質問のページへ>>)
PCBはPCB特措法によって、適正な処分のされる期限が定められており、その期限はPCBの濃度によって違うので注意が必要です。
変圧器・コンデンサ:令和4年(2022年)3月31日 終了しました。
安定器・汚染物質 :令和5年(2023年)3月31日北海道(室蘭)・東京 事業エリア(北九州・大阪・豊田事業エリアは終了)
一律 2027年3月31日です。
適正な処理が期限内になされないと「罰則が課されます」ので注意しましょう。
これらは廃棄物処理法の特別管理産業廃棄物保管基準にもとづいています。東京都環境局の『PCBの適正保管について』というページには、さらに具体的な対処の方法が紹介されています。
高濃度PCB廃棄物はその種類及び保管する場所ごとに処分期間が決められているため、原則保管場所を変更してはなりません。(環境省のよくあるご質問のページへ>>)
(※1)ステッカーは同じサイトで配布されていますが、適切な記載をしてあれば自身で作成しても構いません。
(※2)PCB廃棄物を保管している方は、その場所ごとに「特別管理産業廃棄物管理責任者」を立てる必要があります。詳しい方法は東京都環境局の「特別管理産業廃棄物とは」というページに掲載されています。手続きに入用な報告書や、その記入例も配布していますので、PCB廃棄物を保管している方は印刷して手元に置いておくといいと思います。
PCBは毒物ですので、人が簡単に触れられるような所に保管しておくのは厳禁です。鍵をかけることのできる倉庫や保管庫に置いておきましょう。
他の物質と交じり合うことで化学変化を起こしてしまう可能性があります。仕切りをつけたり、容器に入れて密封したりといった方法をとりましょう。
PCB廃棄物を含んだ油が熱されるとダイオキシン類が発生する恐れがあります。また、熱されることで揮発してしまうことがあります。そのような事態を防ぐため、温度管理には徹底的に気をつける必要があります。
PCBを含んだ油に一回触れただけで中毒症状を起こすことはありません。ですが、たびたび皮ふに接触してしまうと、体内にPCBが蓄積してしまいます。
体内にPCBが蓄積すると中毒症状が出てしまいます。
なので、そうならないよう、PCBが付着する可能性のある作業をする時は、使い捨てても構わない作業着を用意しましょう。そして、もしめまいや吐き気などの症状がでたら、必ず専門医に診てもらいましょう。
\PCB廃棄物の処理はPCBの専門家へ/
LINEやメールで簡単な見積もりを出すこともできます。行政へ提出している書類やPCB機器などの写真を添付してください。