PCB廃棄物処理を依頼できる業者・運搬費用|東京都の助成額算出例

PCB処理分析


PCB廃棄物の処分期限は迫っています。低濃度PCB廃棄物の処分期間は令和9年(2027年)3月31日までです。


事業者は、運搬については収集運搬業者と、処分については処分業者と、それぞれ二者間で契約を交わす必要があります。


この記事では、運搬・処分にかかる助成対象費用と、実際にPCB廃棄物を無害化する3つの処理方法を解説します。


運搬・処分費用の助成対象

2025年4月から利用できる国の助成金は、収集・運搬(積込み・積下しを含む)に要する経費、漏えい防止措置に要する経費、処分に要する経費が対象です(消費税・地方消費税は対象外)。


収集・運搬(積込み・積下しを含む)限度額


  • 低濃度PCB 汚染廃電気機器 192,500 円/台
  • 小型機器・その他(ドラム缶)75,000 円/缶
  • 小型機器・その他(ペール缶)73,500 円/缶


標準処分単価


  • 低濃度PCB 汚染廃電気機器1,000円/kg(変圧器、コンデンサー、開閉器、遮断器、リアクトル等。)
  • 低濃度PCB 含有廃油 200円/kg
  • その他汚染物 900円/kg(ドラム缶又はペール缶に収納された汚染物。ウエス、塗膜くず等。)

助成対象となる経費・ならない経費

助成対象となる3つの費用は、①PCBの油を抜く費用、②機器を運ぶ費用、③機器を処分する費用です。ただし、収集運搬に要する経費のうち、次のものは対象外です。


PCB廃棄物処理助成金対象費用


  • 助成対象物を、保管場所から運び出し車両に積み込むための経費
  • 積み替え保管場所における作業に係る経費及び積み替え保管場所で発生する経費
  • 分析時の検体用の油、交付時に使用したビンや容器、ウエス等の汚染物 など


助成を受けるには、1回目:運搬および処分前、2回目:処理後と2回の申請が必要です。手続きは複雑で時間がかかるため、余裕をもったスケジュールで依頼することをおすすめします。


国の助成金の詳しい内容・算出例はこちら>>
東京都の助成金の詳しい内容・算出例はこちら>>
各都道府県のPCB廃棄物の処理と助成金まとめはこちら>>


収集運搬業者は、処理を行う自治体のホームページでご確認いただけます。

PCB廃棄物はだれに運んでもらう?

PCB廃棄物は特別管理産業廃棄物とされているため、資格を保持している業者のみに依頼することができます。


また、中間処理業者・収集運搬業者との契約締結には「二者契約の原則」があり、事業者は運搬については収集運搬業者と、処分については処分業者と、それぞれ二者間で契約を交わす必要があります。


運搬を担当できる人の資格


PCB廃棄物の収集運搬に直接従事する方は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が主催する「PCB廃棄物の収集運搬作業従事者講習会」を受講する必要があります。


また、事業場ごとに置く特別管理産業廃棄物管理責任者の資格は、同センターが主催する「特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」の修了によって取得できます(この2つは別々の講習です)。


PCB廃棄物の収集運搬及び処分を委託する場合は、運搬についてはPCB廃棄物の運搬に係る許可を有する収集運搬業者に、処分についてはPCB廃棄物の処分に係る環境大臣の無害化処理認定または都道府県知事等の許可を受けた処分業者に、それぞれ委託しなければなりません。


業者の探し方


PCB処理は業者選びが重要です。補助金の情報や最新の処理技術、規制に精通している業者に依頼しましょう。

PCB廃棄物の処理方法(3種類)

PCB廃棄物を無害化する方法は、大きく分けて高温焼却・分解・洗浄の3つがあります。PCBの濃度や種類、処理量などによって適切な方法が選択され、処理後の機器や無害化されたPCBはリサイクルされます。


運搬可能なら「焼却・分解」


運搬可能なPCB廃棄物であれば、焼却や分解のできる近場の処理施設に依頼するのが一般的です。


運搬不可能なら「洗浄」


大型で運搬が困難なPCB廃棄物は、現地処理のできる洗浄方式を採用している施設に依頼するのが一般的です。


①高温焼却


800℃以上の熱で2秒以上熱することのできる方法です。


ロータリーキルン方式

回転式の窯のような機械でPCB廃棄物を熱して乾燥させながら焼却します(セメント製造などにも用いられる方式)。最高温度は1000℃以上。PCB廃棄物処理においてもっともポピュラーな方式です。


ストーカ炉方式

階段状の火格子(ストーカ)を前後に動かし、PCB廃棄物を攪拌して空気とよく混ぜ合わせることで、効率的な燃焼を行います。一般的な廃棄物処理でもっともポピュラーな方式です。


②分解方式


他の物質と化学反応を起こさせ、別の物質にする方法です。


方式 概要
脱塩素化分解 PCB分子中の塩素原子をアルカリ剤などと反応させ、水素などに置き換える方法
水熱酸化分解 超臨界水または超臨界状態に近い水を利用してPCBを分解する方法
還元熱化学分解 還元雰囲気下でPCBを熱分解し、塩や燃料ガスなどに分解する方法
光分解 紫外線を照射してPCB分子中の塩素原子を外し、分解する方法
プラズマ分解 プラズマ(気体分子が高度に電離した状態)を利用してPCBを分解する方法


③洗浄方式


特殊な溶液をPCBの含まれた機材に注入し、PCBのみを取り出す方法です。


溶剤の注入

溶剤をPCB廃棄物に注入します。


循環・分離

溶剤とPCBを循環させて、機器から分離させます。


取り出し

分離させたPCBを溶剤ごと取り出します。


運搬・処理

取り出したPCBを運搬し、処理施設で処理します。


他の方法と異なり、大型で運搬が困難なPCB廃棄物を現地で処理することが可能です。常温・常圧で作業が行われるため、老朽化した機器への負担が軽く、作業中にPCBが外に漏れ出す危険性も低くなります。


洗浄そのものの時間はPCBの濃度にもよりますが他の方法より短く、24時間で終わる場合もあります。大型のPCB廃棄物を保管しているビルオーナーには最適な方式です。


鉄・銅等の金属類は希少な資源としてリサイクルされるため、環境にもやさしく、処理コストの軽減にもつながります。

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