低濃度PCB含有の判別方法と補助金活用ガイド

低濃度PCB含有の判別方法


PCB(ポリ塩化ビフェニル)は健康や環境に影響する有害物質で、絶縁油を含む古いトランスやコンデンサー等に使用されている可能性があります。


特に「低濃度PCB」は、意図しない混入が原因で気づきにくいのが特徴です。この記事では、低濃度PCB含有の判別方法と、検査・処理に使える助成金制度を解説します。


低濃度PCBとは?

PCB濃度が0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のものを低濃度PCBといいます。PCBが含まれている絶縁油は、電気を通さない油のことで、次のような製品に使われています。


例)トランス(変圧器)・コンデンサー(蓄電器)・リアクトル・変成器・放電コイル・整流器・開閉器・遮断器・サージアブソーバー(避雷器)等


低濃度PCBの多くは、意図してPCBが使われたわけではなく、古い電気機器を修理する際に、知らずにPCBが混ざってしまったものです。


そのため所有者が気づきにくく、現在も多くの機器の中に眠っている可能性があります。これを「微量PCB」と呼ぶこともあります。


「微量PCB」と「低濃度PCB」の違いについてはこちら>>

低濃度PCB含有を判別する必要性

PCBは、勝手に捨てたり放置したりすることはできません。国が定めた法律「PCB特別措置法」により、期限内に専門の業者に依頼して正しく処分することが、所有者の義務です。


PCB廃棄物に関する法律・罰則|PCB特措法とは?


低濃度PCBは、令和9年(2027年)3月31日までに処分しなければならないと定められています。この期限を過ぎると、法律違反となり罰則の対象になるリスクがあります。まずは、設備にPCBが含まれていないか、今すぐ確認しましょう。


判別方法(3ステップ)


STEP1 機器の製造年・型式で確認

製造年が1972〜1990年代のトランス・コンデンサーは要注意です。製造銘板に記載された型番・製造年を確認し、メーカーが公表しているPCB含有機器リストと照合します。1975年以前に製造された機器は高濃度PCBの可能性が高いため、専門家への相談が必須です。


STEP2 専門分析機関で絶縁油を分析

機器から絶縁油を採取し、専門の分析機関に依頼してPCB濃度を数値で判別します。銘板確認や絶縁油の採取は感電・機器破損のおそれがあるため、電気主任技術者等に依頼してください。


STEP3 結果の判定

PCB濃度0.5mg/kg以下または不検出であれば、産業廃棄物処分許可業者へ処分を依頼できます。0.5mg/kg超(低濃度・微量PCB)であれば、PCB廃棄物保管・処分状況等届出書を提出したうえで、処理委託が必要です。


PCBが含まれていることが分かった場合は、すみやかに保管場所を管轄する自治体(都道府県又は政令市)へ届け出、適正に保管・処分を行わなければいけません。


特に「低濃度PCB」は、2027年3月末までに処分しなければならないと定められています。


この期限を過ぎてしまうと、法律違反となり、罰則の対象になるリスクがあります。まずは、設備にPCBが含まれていないか今すぐ確認しましょう。

メーカー別の要注意ポイント

「製造年が新しいから大丈夫」と一概には言えません。メーカー出荷時にはPCBが使われていなかった機械でも、長年の使用でオイル交換等が行われた場合、そのオイルにPCBが含まれていた可能性があります。


特に以下のメーカーは、一般的な目安年より新しいものでも例外的な取り扱いが必要です(環境省資料に基づく)。


ニチコン製コンデンサー 平成16年(2004年)3月以前のものはPCB含有の可能性があります
富士電機製(一部機器) 平成6年(1994年)までに生産された機器にPCB含有の可能性が残ります
東芝製(一部高圧進相コンデンサー) 平成10年(1998年)〜平成16年(2004年)製で、型番が「CRTR-」のものはPCB汚染の可能性があります
安定器(東芝ライテック・日立グローバルライフソリューションズ) 両社から微量PCB汚染の可能性が公表されています。処理方法は環境省で検討中のため、確定するまでは適正保管をお願いします


現在その機械にPCBが含まれているかどうかを判断することが難しい場合でも、分析費用は助成金の対象となります。


調査してPCBが含まれていなかった場合でも、分析助成金は受け取ることができるので、安心して専門の業者へご依頼ください。

低濃度PCB含有の判別方法|判別・分析にかかる費用と助成金

PCB含有機器の調査・処分には費用がかかりますが、国や自治体による補助金制度を活用することで、その負担を軽減できます。


PCB分析助成対象電気機器と確認・助成金フローの図


現在、国の助成金が活用できます。また、東京都であれば国と都の助成金を併用できるので、コストを抑えてPCBのPCB含有の判別を行いたい方はご利用ください。


PCB含有機器の調査・処分には費用がかかりますが、国や自治体による助成金制度を活用することで負担を軽減できます。


国の助成金では、分析費用の2分の1(1検体あたり上限10,000円)が助成されます。東京都であれば、原則として国の助成金と併用することで、自己負担額をさらに圧縮できます。


分析費用の合計例(3台)    76,500円
助成金額(国のみ)      24,200円
助成金額(国+都、東京都の場合)48,800円
自己負担額 27,700円


国・都を合わせることで、自己負担額は76,500円のうち27,700円(約36%)まで圧縮できます。具体的な計算ステップは以下のページで詳しく解説しています。


調査してPCBが含まれていなかった場合でも分析助成金を受け取ることができます。


国の助成金についてはこちら


東京都の助成金についてはこちら


東京都以外の方についてはこちら


「調査・処理は既に済んでいる」という方へ:見落としがちな機器や場所をまとめたこちらの記事もあわせてご確認ください。


  • STEP
    機器の製造年・型式で確認
    • 製造年が1972~1990年代のトランス、コンデンサは要注意
    • メーカーが公表しているPCB含有機器リストを参照
    • 製造銘板に型番・製造年を確認
  • STEP
    専門分析機関で絶縁油を分析
    • 機器から絶縁油を採取し、専門の分析機関に依頼
    • PCB濃度を数値で判別
  • STEP
    結果の判定
    • PCB濃度0.5mg/kg以下または不検出⇒産業廃棄物処分許可業者へ依頼
    • PCB濃度0.5mg/kg超(微量PCB)⇒PCB廃棄物保管・処分状況等届出書提出⇒処理委託


PCBが含まれていることが分かった場合は、すみやかに保管場所を管轄する自治体(都道府県又は政令市)へ届け出、保管、処分を行わなければいけません。


関連記事:PCB廃棄物の登録・届出方法|必要書類と手続きの流れ


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