東京都のPCB助成制度を活用して、処理費用を大幅に削減する方法

PCB処理経費


低濃度PCBに汚染された廃棄物は、令和9年3月31日までに保管している事業者の責任で、適切に処理する必要があります。


こうした適正処理をスムーズに進めるため、国(環境省)では令和7年4月から中小企業や個人事業主の方々を対象に、処理費用の一部をサポートする助成制度を設けています。


これにあわせて、東京都のPCB助成制度も見直されています。当サイトでは、PCB関連の助成金に関する最新情報を掲載していますので、ぜひご参考になさってください。


改定のポイント


自己負担のさらなる軽減が可能になり、実質的な経費補助率が上がるケースもあります。


手続きはやや複雑化(国→都の順に申請)したものの、補助メリットは大きくなったと言えます。


東京都におけるPCB廃棄物の状況と取り組み

東京都のPCBの最新情報はこちら



東京都内(八王子市を除く)でPCB製品を使用している事業者、またはPCB廃棄物を保管している事業者は、東京都への届出が必要です。届出は原則として郵送での提出と記載されています。



東京都PCB助成制度の「改定前」と「改定後」の違いまとめ

令和7年4月1日から、国の低濃度PCB廃棄物の処理費等に係る助成制度がはじまりました。


公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「低濃度PCB助成金」の内容


項目 内容
対象廃棄物 PCB濃度 0.5〜5,000 mg/kg の低濃度PCB廃棄物
受付期間 令和7年4月1日〜令和8年3月31日(予算次第で締切)
助成内容 分析費/収集運搬費/処分費など、50%補助
主な制限 経費の上限設定がある(例:分析は1検体10,000円など)
対象者 中小企業、個人事業主、個人等

詳細はこちらのページをご覧ください。


「東京都微量PCB廃棄物処理支援事業」の改定に関するお知らせ資料の内容


項目 内容
改定日 令和7年6月2日
助成率

国助成利用時:国助成後の残額の50%
国制度不使用時:従来どおり50%

申請期限 令和8年3月31日(ただし予算枠到達で締切)
遡及適用 令和7年6月1日以前に国交付決定後に処理をした場合、遡及適用
申請の順序 国助成→都助成。両方申請する場合は手順に注意

詳細はこちらの改定資料PDFをご覧ください。


東京都PCB助成制度の「改定前」と「改定後」の違い


項目 改定前 改定後
助成対象 都内の微量PCB含有機器(変圧器・コンデンサ等) 同じ(対象は変わらず)
助成率 処理・分析費の50%(一律)

①国助成を利用する場合(国助成後の残額の50%を都が補助)
②国助成を利用しない場合(従来と同じく50%助成)

国制度との関係 国制度がなかった(または連携なし) 国制度(2025年4月〜)との併用を前提に改定された
助成金の計算方法 処理・分析費×50%(上限あり) 国助成後の自己負担額×50%(上限あり)
遡及適用 原則なし 令和7年6月1日以前でも、国の交付決定後に処理していれば遡及適用可能
申請の流れ 都への申請のみで完結 国と都の二段階申請が必要


手続きなどの時間がない場合や、実際に自分のケースだといくらかかるか知りたいようでしたら、ぜひ、弊社にご相談ください。


政府が定めている処理期限ギリギリになってから動き始めるより、まずは一度お見積を取ってみて、その時のために備えてみてはいかがでしょうか?お見積は無料で引き受けておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。


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LINEやメールで簡単な見積もりを出すこともできます。行政へ提出している書類やPCB機器などの写真を添付してください。


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助成金の算出例①分析費助成

まずは、持っている電気機器がPCBに汚染されているかどうかを調べる必要があります。


PCB分析で助成対象となる電気機器はこちら


例)トランス(変圧器)・コンデンサー(蓄電器)・リアクトル・変成器・放電コイル・整流器・開閉器・遮断器・サージアブソーバー(避雷器)等


代表的な電子機器の例

画像引用元:環境省


①電気機器の銘板情報等から製造年を確認します。汚染の可能性がある電気機器の製造時期はこちらです。

  • 絶縁油の交換が可能な変圧器等:平成5年(1993年)以前
  • 絶縁油封じ切りのコンデンサー:平成2年(1990年)以前

②採油可能な機器は採油してPCB濃度を測定します。


【分析費】の助成概要


助成対象経費


微量のPCBに汚染された可能性のある
変圧器及びコンデンサー類の電気機器の絶縁油の分析費用


助成金の額
①都のみに助成の申請をする者 
1 台あたり助成対象経費の2分の1(限度額:1台あたり12,500円)


②都以外に国等が実施する同種の補助金の交付を受けた者
1 台あたりの助成対象経費からその補助金の額を控除した額の 2 分の 1


※国の分析費用の限度額は1検体あたり10,000円です。そこからさらに都の助成金も利用できるということになります。詳しい情報はこちら>>


助成金の算出例


対象機器3台の絶縁油採取及び分析を実施した場合
  • 高 圧 ト ラ ン ス A 税抜き価格 38,000円
  • 高圧コンデンサーB 税抜き価格 30,000円
  • リ ア ク ト ル C 税抜き価格 8,500円


① 都のみに助成申請をする者


(STEP1)1台ごとの税抜き価格に助成率を乗じます。
A 38,000円×1/2=19,000円
B 30,000円×1/2=15,000円
C 8,500円×1/2= 4,250円


(STEP2)1台ごとの金額が上限の12,500円以上となった場合は12,500円とします。
A12,500円、B12,500円、C4,250円


(STEP3)合算します。
12,500+12,500+ 4,250=29,250円


(STEP4)端数を切り捨てた29,200円が助成金額になります


② 都以外に国等が実施する同種の補助金の交付を受けた者


(STEP1)1 台ごとの税抜価格から、国等の同種の補助金の補助額を控除する。
A 38,000 円-10,000 円=28,000 円
B 30,000 円-10,000 円=20,000 円
C 8,500 円- 4,200 円= 4,300 円


(STEP2)STEP1 の金額に助成額を乗じます。
A 28,000円×1/2=14,000円
B 20,000円×1/2=10,000円
C 4,300円×1/2= 2,150円


(STEP3)1台ごとの金額が上限の12,500円以上となった場合は12,500円とします。
A12,500円、B 10,000円、C 2,150円


(STEP4)合算します。
12,500+10,000+2,150=24,650円


(STEP5)端数を切り捨てた24,600円が助成金額になります。



※算出例はすべてこちらのPDFから引用しております(公益財団法人 東京都環境公社:東京都微量PCB廃棄物処理支援事業 助成金交付申請の手引き(分析経費)PDF


都のみに申請
合計費用 76,500円
助成金額合計 29,200円
自己負担額 47,300円


国+都に申請
合計費用 76,500円
助成金額合計 24,600円(都) + 24,200円(国) = 48,800円
自己負担額 27,700円


国+都に申請した方が自己負担が19,600円も少なくなるという事がわかります


調査してPCBが含まれていなかった場合でも分析助成金を受け取ることができるので、安心して専門の業者へご依頼ください。


メーカー出荷時にはPCBが使われていなかった機械でも、長年の使用でオイル交換などが行われた場合、そのオイルにPCBが含まれていた可能性があります。


そのため、現在その機械にPCBが含まれているかどうかを判断することは難しく、このような場合は、助成金の対象となるそうです。


PCB分析の流れ


助成金交付申請の手引き
※【分析】助成金交付申請の手引き6ページより引用


こちらのPDFに交付手続きや必要書類などもすべて入っていますので、ぜひご覧ください。


縁油を分析して電気機器等にPCBを含有(PCB濃度0.5mg/kg超)していることがわかった場合、東京都環境局への届出が必要です!助成金申請前に届出を行います。


処分するまで適正に保管する必要があります。保管から処分についてはこちらの記事も参考にどうぞ。

助成金の算出例②処分費助成

分析してPCBが製品に含まれている場合、適正処理をしなければいけません。


①処分業者 ②収集運搬業者③油抜き取り業者(絶縁油を抜き取る場合)にそれぞれ見積もりを依頼して、話がまとまったら契約を締結します。


【処理経費】の助成概要


助成対象経費


微量PCB含有が確認された絶縁油・容器・電気機器の処理(運搬・処分)費用


助成金の額


①都のみに助成の申請をする者
助成対象経費の合計額の2分の1


②国等が実施する同種の補助金の交付を受けた者
助成対象経費の合計額から、当該補助金の額を控除した額の2分の1


※国の助成金は対象経費の2分の1の額です。国の助成金を受けた残りの額からさらに2分の1 となります。


収集・運搬(積込み・積下しを含む)
※低濃度PCB廃棄物が2以上ある場合は、その種類ごとの額を合計した額を助成限度額とする。

種類 限度額
低濃度PCB 汚染廃電気機器 192,500 円/台
小型機器・その他(ドラム缶) 75,000 円/缶
小型機器・その他(ペール缶) 73,500 円/缶


漏えい防止措置

※漏えい防止措置が必要な低濃度PCB廃棄物が2以上ある場合は、そのそれぞれに対し助成限度額を適用するものとする。


限度額 50,000 円/台・式


処分に要する経費
下記標準処分単価からの算出額と申請者が申請してきた額のいずれか低い方を助成対象経費とします。

低濃度 PCB 廃棄物の種類 標準処分単価
低濃度 PCB 含有電気機器 1,000(円/㎏)
低濃度 PCB 含有廃油 200(円/㎏)
その他汚染物 900(円/㎏)


詳しい情報はこちら>>


助成金がもらえるのは、大きく分けて以下の3つの費用です。


  1. PCBの油を抜く費用
    電気機器の中に入っているPCBの油を抜くための費用です。
  2. 機器を運ぶ費用
    PCBが入っていた機器を処分場に運ぶための費用です。ただし、機器を最初にトラックに乗せる費用や、途中で一度別の場所に置く費用などは含まれません。
  3. 機器を処分する費用
    PCBが入っていた機器を安全に処分するための費用です。


消費税と地方消費税は対象外です。


機器を運ぶ費用については、こういった部分も少し複雑です。


運搬費用についての記事はこちら


助成額の算出例①


引き続き使用するトランス2台から微量PCB絶縁油を抜き取り、合計250リットルの微量PCB油を処理する場合


トランス1 100KVA 油量 150リットル
トランス2 75KVA 油量 100リットル


助成額の算出例①


助成金の算出例②


ドラム缶1本に保管している微量PCB絶縁油200リットルをドラム缶ごと処理する場合


① 都のみに助成申請をする者


(STEP1)
収集運搬経費100,000+処分経費150,000=250,000


(STEP2)助成額✕1/2
合計250,000✕1/2=125,000


(STEP3)125,000円が助成金額になります


② 都以外に国等が実施する同種の補助金の交付を受けた者


(STEP1)
収集運搬経費100,000+処分経費150,000=250,000


(STEP2)助成額✕1/2【国の助成金】
合計250,000✕1/2=125,000


(STEP3)助成額✕1/2【都の助成金】
合計125,000✕1/2=62,500


(STEP4)62,500円が助成金額になります


助成金の算出例③


微量PCB絶縁油が封入されたトランス(30kVA)1台を処理する場合


① 都のみに助成申請をする者


(STEP1)
収集運搬経費200,000+処分経費350,000=550,000


(STEP2)助成額✕1/2
合計550,000✕1/2=275,000


(STEP3)助成額が限度額を超過しているため、助成額は(c)×1/2の275,000円ではなく、限度額である250,000円となる


② 都以外に国等が実施する同種の補助金の交付を受けた者


(STEP1)
収集運搬経費200,000+処分経費350,000=550,000


(STEP2)助成額✕1/2【国の助成金】
合計550,000✕1/2=275,000


(STEP3)助成額✕1/2【都の助成金】
合計275,000✕1/2=137,500


(STEP4)137,500円が助成金額になります


※算出例はすべてこちらのPDFから引用しております(公益財団法人 東京都環境公社:東京都微量PCB廃棄物処理支援事業 助成金交付申請の手引き(処理経費)PDF


「国の助成金」と「都の助成金」を両方セットで使うのが圧倒的にお得です。面倒に思えるかもしれませんが、手続きさえしっかりすれば、数万円単位で節約できます。


しかし、助成を受けるには、国の助成金を受けた後に「1回目:運搬および処分前」、「2回目:処理後」と2回申請が必要です。


ここまで見てきただけで、内容がとても複雑で時間がかかる手続きであることがわかります。

PCB処理費用の違いについて

PCB廃棄物処理にかかる費用の差は何が原因でしょうか?

PCBの種類、処理業者の技術、PCB機器が保管してある場所、PCB機器の使用状況など様々なことで費用に差ができます。


多くの業者がPCB処分の費用の明示をしておらず、インターネットや電話による見積もりの申し込みが必要になります。


その理由はPCB廃棄物の種類や量、使用・保管状態によってによって処理費用が変わるため、ほぼオーダーメイドになってしまうからです。


実際の例を挙げますと、100万・200万円で処理出来た方もいれば、1000万円かかった方もいます。


なので一概に「PCB処理費用は○○円です」と明言できません。あとで必ずといっていいほど「○○円でできると言ったじゃないか」と言われますし、少なくともそういう気持ちが生じてしまいます。


PCBの種類や処理業者の技術によっても費用に差が出る


PCB機器はもちろん、PCBの漏れやにじみを拭き取ったウェスや保護具、治具、汚泥、塗膜くず等も含まれ、意図せずにPCBが混入した変圧器、コンデンサー等の微量PCB混入電気機器も低濃度PCB廃棄物に分類されるため、費用がかさむことが考えられます。


また、技術がある業者に依頼した場合、PCB廃棄物を適切に分別したり、分離したりすることが可能です。つまり、それは処理委託する重量を減らし、費用を圧縮することができるので費用を抑えることもできるということです。


また、PCB廃棄物を完全に処理するまでに、やらなくてはいけない手続きや書類作成などの作業は多く複雑です。たくさんの経験がある業者へ依頼することをおすすめします。


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補助金申請サポートで機会損失を防ぎます


専門家のアドバイスを受けることで、スムーズに申請を進めることができます。


リジェンヌでは、お客様が補助金制度の対象となるかどうかを精査し、申請手続きまでサポートいたします。最適な処理方法を選ぶことで、補助金を受けられる可能性を高め、処理費用を大幅に削減できます。


最新の処理技術や規制に精通しているので知識損失を防ぎます


一般的なPCB処理の業者が焼却処理であるのに対し、リジェンヌでは焼却でない洗浄処理を行っております。


洗浄方式では鉄・銅などの金属類は希少な資源にリサイクルされますが、焼却方式では全て800~1,200℃ほどの高熱で焼却するため金属類の資源価値が失われてしまいます。


環境への影響を最小限に抑えるための適切な処理方法を選択し、実施することができます。また、分別・分離を行うため、コストを抑えることも可能です。


効率的な処理計画の立案で単価損失を防ぎます


PCB処理には令和9年3月31日までという期限があるため、期限間際に処理を行うと、費用が大幅に上昇する可能性があります。


関連記事:低濃度pcbの処理期限が過ぎたらどうなる?リスクまとめ


また、ドライバー不足や燃料費高騰により、PCB廃棄物の輸送コストが上昇。結果、処分費用も高騰し、企業の負担が増えることも予想されます。


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